文部科学省 調査データ解説

令和5年度
幼児教育実態調査

全国の幼稚園・幼保連携型認定こども園・市町村すべてを対象とした全数調査(令和5年5月1日基準)のデータを、保護者向けにわかりやすくまとめました。

出典:文部科学省 令和5年度幼児教育実態調査(2024年5月公表)
47都道府県

全都道府県が対象

全数調査

91%

都道府県の幼児教育アドバイザー配置率

園を巡回し保育の質を支援する専門職

48%

市町村の幼児教育アドバイザー配置率

前回比7pt増

36都道府県

幼児教育センター設置数

前回比9増

01

都道府県・市町村調査

幼稚園・保育所・認定こども園の設置状況

全国の市町村において、「幼保連携型認定こども園」または「幼稚園および保育所」が設置されている割合が大多数を占めます。 幼保連携型認定こども園は令和3年度から調査に追加され、全国的に増加傾向にあります。

お子さんが通う地域の園の種類(幼稚園・保育所・認定こども園)は年々変化しています。 「幼保連携型認定こども園」は教育と保育の両機能を持つ施設で、共働き家庭でも利用しやすい選択肢です。

02

都道府県・市町村調査

幼児教育センターの設置状況

幼稚園・保育所・こども園を一体的にサポートする「幼児教育センター」の設置が急増しています。

都道府県の設置数(47都道府県中)

平成28年
11
令和元年
19
令和3年
27
令和5年
36

市町村の設置数

平成28年
29
令和元年
79
令和3年
90
令和5年
97

幼児教育センターが充実する地域では、園の研修支援や相談体制が整い、地域全体の保育・教育の質が底上げされます。 お住まいの自治体のセンター有無を確認してみましょう。

03

都道府県・市町村調査

幼児教育アドバイザーの配置状況

幼児教育アドバイザーとは、保育経験や専門知識を持ち、地域の幼稚園・保育所を巡回して先生たちの保育改善を支援する専門職です。配置が急速に広まっています。

都道府県の配置率

平成28年
26%
令和元年
51%
令和3年
83%
令和5年
91%

市町村のアドバイザー配置率

平成28年
11%
令和元年
18%
令和3年
41%
令和5年
48%

都道府県アドバイザーの勤務形態(令和5年度)

区分人数
常勤108人
非常勤127人
嘱託266人

市町村の配置人数別内訳

配置人数市町村数
1人357市町村
2人190市町村
3人102市町村
4人51市町村
5人以上127市町村
未配置914市町村(52%)

都道府県では9割以上が配置済みですが、市町村ではまだ半数以下です。 アドバイザーが充実している自治体では、地域の園全体の保育の質が向上しやすくなります。

04

都道府県・市町村調査

架け橋期のコーディネーター配置状況

幼稚園・保育園と小学校の「橋渡し役」であるコーディネーターの配置が進んでいます。 特に小学校での勤務経験を持つ人材が多く、就学移行の専門家として機能しています。

都道府県の配置状況

39都道府県

47都道府県中(83%)が配置済み

勤務経験内訳(都道府県)

幼稚園・保育所経験112人
小学校経験103人

このコーディネーターがいることで、お子さんが小学校に入学する際の戸惑いを減らす取り組みが充実します。 「架け橋プログラム」に取り組む自治体かどうかも、園選びの参考になります。

05

都道府県・市町村調査

幼稚園教諭・保育教諭等の研修の実施状況

法定研修(初任者研修・中堅教諭等資質向上研修)への私立幼稚園教諭の参加状況と、 幼保小合同研修の実施状況を示します。

法定研修に私立幼稚園教諭を受け入れている都道府県数

研修種別受け入れ実績あり
初任者研修51都道府県
中堅教諭等資質向上研修36都道府県

幼保小合同研修の実施

38都道府県
が都道府県単位で実施

先生たちの研修が充実している園・地域ほど、保育・教育の質が安定します。 幼稚園と小学校の先生が一緒に学ぶ合同研修は、就学移行をスムーズにする効果があります。

06

都道府県・市町村調査

幼保小接続の状況

幼稚園・保育所から小学校への「つながり」を意識した取り組みが全国で進んでいます。 ただし、多くの市町村はまだ「交流がある」レベルにとどまっています。

幼稚園の接続ステップ分布

ステップ内容園数(参考)
ステップ0連携の予定・計画がない973園
ステップ1連携はあるが定期的でない
ステップ2年数回の交流あり最多
ステップ3接続を見通した教育課程を編成
ステップ4接続を実施・評価・改善527園

幼保連携型認定こども園のステップ分布

ステップ園数(参考)
ステップ0(連携なし)703園
ステップ1934園
ステップ4(実施・改善)550園

入学前にお子さんの園が小学校と情報共有をしているか確認することが、スムーズな就学につながります。 「幼児期の終わりまでに育ってほしい姿」を活用した引き継ぎをしている園は特に接続が充実しています。

幼稚園・幼保連携型認定こども園調査
07

幼稚園・幼保連携型認定こども園調査

延長保育(預かり保育)の実施状況

多くの幼稚園が授業終了後の「預かり保育」を実施しています。共働き家庭には重要なサービスです。

定期実施の中で

週5日

実施が最多

終了時刻

17時以降

まで実施する園も一定数

土曜日実施

一部の園

のみ実施

平日・土曜・夏休み中の実施状況は園によって大きく異なります。共働き家庭は入園前に必ず確認しましょう。

08

幼稚園・幼保連携型認定こども園調査

特別な配慮を必要とする幼児への支援

障害のある幼児・外国人幼児・経済的に困難な家庭の子どもへの支援体制が整備されてきています。

障害のある幼児への主な支援(幼稚園)

  • 巡回相談等、障害への気付き・関わり方への助言・研修(741園)
  • 家庭・地域・医療福祉保健等の関係機関との連携への助言(809園)
  • 小学校への在園中の様子・支援内容等の引き継ぎ(多数)

外国人幼児への主な支援(公立幼稚園:606園に在籍)

  • 園だより等の翻訳(576園)
  • 通訳の活用(728園)
  • 日本の幼稚園生活に関するわかりやすい資料の提供(578園)

「うちの子に特別なサポートが必要かも」と感じたら、まず担任の先生に相談することから始めてください。 多くの園が専門機関との連携体制を持っています。

09

幼稚園・幼保連携型認定こども園調査

ICTの配備・活用状況

先生用のタブレット・PCは多くの園で導入が進み、保護者連絡や内部業務のデジタル化が広がっています。 一方、子どもたちが直接ICTを使う機会はまだ限られています。

教員用端末の配備状況(最も多い形態)

施設種別最も多い配備形態
公立幼稚園1人1台程度
私立幼稚園複数台を共有
公立幼保連携型複数台を共有
私立幼保連携型複数台を共有

幼保連携型認定こども園のICT活用(公立945園)

活用用途実施園数
保護者への連絡・情報提供744園
外部との打合せ・研修719園
内部業務(記録・計画)673園
教育活動で幼児が使用65園

ICT利用の課題(複数回答、上位3項目)

  • 1タブレット・PCの配備不足(幼稚園で最多の課題)
  • 2ノウハウある担当職員・外部人材の確保
  • 3個人情報・サイバーセキュリティ対策

保護者連絡のデジタル化(連絡帳アプリ・お知らせ配信)は急速に普及しています。 一方で子どもへのICT活用は「機器・人材・セキュリティ」の3課題を抱えながら整備中です。

10

幼稚園・幼保連携型認定こども園調査

子育て支援関連活動の実施状況

幼稚園が在園児の保護者だけでなく、地域の未就園の子育て家庭への支援も担っています。

満3歳未満の一時預かり

実施幼稚園あり。受け入れ年齢は2歳児が最多。週5日実施が中心。

地域向けの子育て支援

園庭開放・子育て相談・情報提供など。週1回〜年数回の幅で実施。

2歳以下のお子さんがいる保護者も、近くの幼稚園の開放日や相談イベントを活用できる場合があります。 入園前の情報収集にも役立ちます。

調査データから見えてくること

専門人材の配置が急速に普及

幼児教育アドバイザー(都道府県91%)・架け橋期コーディネーター(83%)が大幅増加。保育・教育の質向上インフラが整いつつある。

幼保小接続は「交流」から「連携」へ移行途中

多くの市町村で交流はあるが、教育課程の接続まで進んでいるのは一部。地域差が大きい課題。

ICTは大人の業務に普及、子どもへの活用は低水準

保護者連絡・内部業務のICT化は進んでいるが、幼児への教育的活用はほとんどなく、機器・人材・セキュリティが課題。

特別支援・多文化対応は整備中

障害のある幼児・外国人幼児・困難家庭への支援体制が充実しつつあるが、園や地域によって差がある。

出典・調査情報

文部科学省「令和5年度幼児教育実態調査」(2024年5月公表)
調査基準日:令和5年5月1日/対象:47都道府県・全市町村・全国の幼稚園・幼保連携型認定こども園
本ページは公開資料をもとに保護者向けに要約・解説したものです。正確な数値は原資料をご確認ください。

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